令和2年度税制改正要望を見て思うこと①(経済産業省)

令和2年度税制改正要望を見て思うこと①(経済産業省)
2019年9月21日

どうもみなさん。ぐんみつ(@GunGunGunmitsu)です。

先日、各省庁から令和2年度の税制改正要望が提出されましたが、それを見て感じたことをここから数回に分けて記事にしていこうかと思います。

初回は経済産業省の要望について触れていきます。

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税制改正要望のポイント

①新たな付加価値の創出・獲得に向けたオープン・イノベーションの促進

  1. 連結納税制度の見直し
  2. ベンチャー投資を通じたオープン・イノベーションの促進
  3. 株式を対価としたM&Aの円滑化

②新陳代謝等を通じた中小企業の生産性向上の促進

  1. 親族以外の第三者による事業承継の促進
  2. 創業後間もない中小企業の更なる成長の促進
  3. 少額資産の特例措置及び交際費課税の特例措置の延長

③自由化の下でのエネルギー安定供給の確保

  1. 電力・ガス事業の収入金課税の見直し
  2. 先進的な省エネ・再エネ投資の促進
  3. 資源・燃料を巡る国際競争の激化に対応する取組の推進

④グローバル化・デジタル化に対応した事業環境の整備

  1. 日本企業の状況を踏まえた国際的な課税の見直し
  2. 経済のデジタル化等に伴う税務手続の合理化

(経済産業省HP『令和2年度経済産業省税制改正要望について』より作成)

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考察

経済産業省の税制改正要望で個人的に気になるのは以下の3点です。

①-1 連結納税制度の見直し

②-1 親族以外の第三者による事業承継の促進

④-2 経済のデジタル化等に伴う税務手続の合理化

詳しい内容は経済産業省HP『令和2年度税制改正に関する経済産業省要望【概要】』に記載がありますので参考にしてください。

連結納税制度の見直し

連結納税制度は100%の出資関係がある親子会社の所得を合算して税計算を行う制度で、欠損(≒赤字)のある子会社がいた場合にほかのグループ会社の所得と通算できるといったメリットがありますが、現行の制度だと所得計算が非常に煩雑で手間がかかるという大きなデメリットがあります。

グループ会社内の一体感を強めるという意味では有用な連結納税制度ですが、現行のままでは導入障壁が高く敬遠されがちな制度となっています。

そこで今回の税制改正要望では、企業間連携を促すためにも制度の見直しを図り、事務処理の軽減や導入の後押しをするような制度へと変える必要性が謳われています。

ちなみに、すでに政府では連結納税制度に代わる新たな制度として「グループ通算制度(仮称)」が検討されています。こちらは基本的な内容は連結納税制度と変わらないままで、現行制度よりもハードルを下げた制度へ移行していこうといった狙いのもと話し合いが進んでいるようです。

私のクライアントでも連結納税制度を導入している企業がありますが、やはり決算時の手間が非常にかかるため、制度の見直しはぜひとも行ってほしいところです・・・。

親族以外の第三者による事業承継の促進

企業の後継者不足による廃業・M&Aが増加している近年ですが、企業というのは国の原動力ですのでなるべく継続させていきたいというのが創業者や経営者の願いだと思います。

後継者不足は本当に深刻な問題で、私のクライアントにもこの悩みを抱えた企業が数社あります。現経営者がバリバリの現役である時は問題ないですが、この現経営者に何かあってもこの企業は今のように経営ができるのか、とふと考えると不安がよぎったりもします。

現在、『事業承継税制』という制度によって親から子へ事業承継を行う場合の税制措置についてはかなり優遇されたものがありますが、自分の子供に会社を任せるのは不安、任せるぐらいなら会社をたたんだほうがマシという経営者は意外と多くいます。

そこで親族以外の第三者への事業承継が必要となってきますが、ここに対しても税制措置が必要と考えられています。後継者不足で廃業に追い込まれてしまう価値ある企業を少しでも減らしたいという思いですね。

最近非常に増えているM&Aについても、あくまで企業買収であり買われた側の企業は事業を継続する必要がありますので、それならば能力ある第三者に会社を任せて存続させたほうが企業のためにも良いかと思います。

M&Aをした結果、他社の風土が入ってくるのが嫌という理由で従業員の退職が相次ぐ、なんてパターンもよくありますので。

経済のデジタル化等に伴う税務手続の合理化

税務に関わらず、近年のデジタル化に伴い様々な手続きが電子化して便利になってきています。今後もこの流れが続いてどんどん簡素化して事務負担が軽減されていってほしいですね!

個人的にはこの項目の中に記載のある「消費税の申告期限の延長」が非常に気になります。

申告期限の延長とは現在法人税にのみ認められている制度で、通常の届出を提出すれば通常の申告期限の2か月を超えた申告期限を設定できる制度です。

しかし、この制度は消費税には認められておらず、例えば法人税の申告期限については申告期限の延長を申請して3か月とした場合でも、消費税は2か月で申告しなければなりません。

一般的には法人税と消費税は同時進行で税額計算されますから、本来であればこの2つは同じタイミングで申告したいというのが本音です。

この要望が通れば、会計事務所の申告作業効率が上がることは間違いないと思いますので期待しています。

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まとめ

今回は経済産業省の税制改正要望について触れてみました。

働き方改革が推進されていることもあってか、業務効率に関する要望が多いように感じました。

次回はまた別の省庁から出された税制改正要望に触れてみたいと思います。