【何が問題?】チュートリアル徳井さんの所得隠し【法人税編】

【何が問題?】チュートリアル徳井さんの所得隠し【法人税編】
2019年10月24日

本日は、連日ニュースで取り上げられているお笑いコンビ芸人チュートリアルの徳井さん所得隠し問題を取り上げていきたいと思います。

税法上何が問題なのか、問題となった結果どれぐらいのペナルティが発生するのか、といった点に着目していきます。

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問題の概要

合計約1億2,000万円の所得申告漏れ

今回発覚したのは、7年間で約1億2,000万円もの所得が申告漏れとなっていたという指摘が東京国税局からあったという事実です。

まず徳井さんは、2009年に個人会社「チューリップ」を設立しており、その会社を通じて芸能活動で得たギャラを受け取っていたようですが、このうち2,000万円が所得隠しと認定されています。

また、個人の所得についても、約1億円もの所得が申告漏れとなっていたようです。

よって、会社と個人で合計1億2,000万円もの所得が申告漏れとなっていました。

この問題、実は2,000万円の所得隠しについては会社に関わることなので「法人税法」が適用され、1億円の所得申告漏れについては個人に関わることなので「所得税法」が適用されています。

似たような事案なのですが、2つの税法が関連しているので、今回はまず法人税法の範疇である「2,000万円の所得隠し」について触れていきたいと思います。

会社にて支払った経費2,000万円が仮想隠蔽と指摘

個人会社「チューリップ」にて発覚した2,000万円の所得隠しの件ですが、これは会社にて計上された経費に個人的な旅行費用や洋服代が含まれていたため、それは経費として認められないと指摘された事案です。

会社というのはあくまで個人からは独立した存在ですので、会社が収入を得るために支出した金銭でなければ経費として認められません

そして、今回これは仮想隠蔽を伴う所得隠しという判断が下されました。

仮想隠蔽…なかなか聞きなれない言葉ですが、これについてはこの後解説していきます。

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問題の解説

そもそも、なぜ会社を設立するのか?

今回のニュースを聞いて、なぜ直接ギャラを個人で受け取らずにわざわざ「チューリップ」という会社を設立してその会社を通す必要があるのか、と思われた方も多いと思います。

これにはれっきとしたわけがあります。それは法人税と所得税の税率差が関係しています。

徳井さんのように、個人で活動して所得を得る芸能人はその所得に対して所得税がかかります。

現在日本では所得税は累進課税となっており、その所得が多ければ多いほど所得税の税率が高くなる制度となっています。(下表参照)

(参考:国税庁HP「所得税の税率」

なんと、最高税率だと45%の税金がかかりますので、所得の半分が税金としてひかれてしまいます。

一方、同様の所得を会社を通して得ると税率はどれくらいになるでしょうか?

現在、法人税法に掲げられている税率はなんと23.2%となっています。
(中小法人の特例や地方税については考慮はしません)

よって、この税率差メリットを享受するために会社を設立する方も多いようですし、この行為自体には何も問題はありません。

このほかにも会社を設立するメリットはありますし、また同時にデメリットも発生しますが、今回はそのあたりは割愛いたします。

「所得隠し」、「仮想隠蔽」って?

では、今回問題となった所得隠しと仮想隠蔽について見ていきます。

所得隠しとは、税金を意図して減らす行為のことを指します。

今回のケースですと、会社で支払った個人の費用を経費としたことには恣意性があり、経費とならないことが分かっていたのに計上したという判断がされたこととなります。

単純に間違えただけであれば申告漏れとなりますが、それよりも悪質であると判断が下されたということですね。

また仮想隠蔽とは税法によく用いられる用語で、税額計算の基礎となる事実を隠蔽したり仮想することを指します。

この仮想隠蔽という判断が下されるとどうなるのでしょうか?

その場合、重加算税というペナルティが発生します。

通常、今回のケースのような所得の申告漏れであれば、過少申告加算税といって追加で発生した税金の10%程度の追徴税額が加算されるのですが、重加算税はその率が35%~40%となります。

単純に考えて追加で払うべき税金が1.5倍近くになるということですね。

なので、重加算税が追徴されないためにも決められた納税期限までにしっかりとした申告が必要となります。

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まとめ

今回は徳井さんの所得隠し問題について法人税法の観点から問題点とペナルティについてみていきました。

次回は所得税法の観点からみていければと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。